月灯りの舞 -2ページ目

月灯りの舞

自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

誕生日にいつも本をくださる方が、
今年も4冊くださった。

どれも買おうと思ってた本ばかりで、
びっくりした。
テーマは「アート」と「緊縛」か。

その一冊はとんぼの本。





「京都洋館ウォッチング」 (とんぼの本)
  井上 章一 (著)
  新潮社/2011/11.25


意表つわつくテーマで、建築史から世態にいたるまで
論じてきた、京都生まれの建築史家が京都の近現代
建築を案内した街歩きガイド。


「愛の空間」(角川書店)以来、井上章一ファン。
ましてや、この本は京都の素敵な建物を紹介。


先月、京都に行ったときに尋ねた「さらさ西陣」や
京都博物館や何度も通った元・立誠小学校の建物など、
趣深い建物がいっぱい。


京都洋館ウォッチング (とんぼの本)/新潮社
¥1,728
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今月発売の「ケトル」Vol.14の特集は、
「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が大好き!」





あのSFアドベンチャーの名作
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の2作目で
描かれていた未来の世界の年がなんと、2015年。
今年なんである。
だから、大特集。


シリーズ3作の時間の流れがわかる年表から、
人物相関図、名言集や50のトリビアなど、
BTTFファンにはたまらない。


映画で使われた特殊効果と現在の比較とか、
検証企画もとてもおもしろい。


好きな映画は何かと聞かれたら、
「バタフライエフェクト」を観るまでは、
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と答えていた。

タイムスリップものが好きなのである。


初めて自主映画を創ろうとシナリオを
書いたのもタイムスリップもの。



今度、姉妹シリーズ「半熟姉妹」のリーディング公演の
テーマは「時間」だ。
私はタイムスリップものを書く予定。




ケトル VOL.24/Kaede
¥972
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「ケトル」2015.4月号表紙

今月の「美術手帖」

『バルテュス特集 なぜ、少女を描かねばならなかったのか」。


「ユリイカ」もバルテュス特集だったが、
活字ばかりだったので、それはもう
絵画がたくさん掲載されているこちらを。


バルテュスの画業と人生も詳細に語られ、
諏訪敦は彼が遺したポラロイド写真を
読み解いている。


具象画家を追求する諏訪敦の共感性と
深い観察眼が感じとれる。


少女モノといえば会田誠。
「パルティユスと僕」というタイトルで
彼に着いてを語っている。


多様化する「少女」の表現を様々な
角度から検証し、いろいろなアーティストが
語っている。



「バルテュス」展は、
東京都美術館で6/22まで開催中。
ああ、行きたいなあ。


美術手帖 2014年 05月号 [雑誌]/著者不明
¥1,728
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先日の京都の旅のお供の文庫本も
タイムスリップもの。


「彼女の遺言」
新津 きよみ (著)
角川春樹事務所(ハルキ文庫)/2015.3.12




タイムスリップのアイテムは、
54歳で亡くなった同級生が残した「梅酢」。


正に「バタフライエフェクト」のようだった。

自分の為ではなく、誰かの為に過去に戻って
助けようとする主人公。


でも、ひとつがうまくいくと何か悲しいことが
起こったり、誰かを助けると誰かが不幸になったり。

子どものいる主婦は、タイムスリップできるとしたら、
まず息子の為に過去へと戻る。


50代の女性が30代に戻った時、女性特有の月のモノを
感じる描写はとてもリアルだった。
そういうディティールも女性作者ならでは。



彼女の遺言 (ハルキ文庫)/角川春樹事務所
¥691
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誕生日にいつも本をくださる方が、
今年も4冊くださった。


どれも買おうと思ってた本ばかりで、
びっくりした。
テーマは「アート」と「緊縛」か。





◆「写実画のすごい世界  限りなく『本物(リアル)』な女性たち」
   月刊美術 (編集)
実業之日本社/2013.5.29



現在、注目を集めている写実絵画の中から
女性像と裸婦をメインに構成。

森本草介、野田弘志といった巨匠を筆頭に、
島村信之、生島浩、小尾修、原崇浩、石黒賢一郎ほか、
日本の写実画をリードする28名の精鋭たちの女性像を掲載。
                   <帯より>



細密であることが写実画ではない。
そこに凄腕写実画家の「存在」を通してこそ
深く豊かで個性的な作品となるのだ。

ため息が出るばかりの存在感と美しさ、
匂い立つエロスが漂う画集。





◆「島村信之画集」
求龍堂/2011.11.11

「生命の力、健やかな心、究極の理想美 
写実界に清らかな風を吹き込む、待望の初画集」
<帯より>


妖艶だったり、清楚だったり、美しい女たちの
美しい肢体と憂いをおびた表情。
命がふきこまれたようは肌の質感にみとれてしまう。
大切に何度でも眺めたい画集。



写実画のすごい世界/実業之日本社
¥2,052
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島村信之画集/求龍堂
¥4,104
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金曜日(4/10)、京都2日と札幌5日の
ちょっと長い旅から帰宅。



飛行機の中で一気読みしたのは、
「彼女の血が溶けてゆく」浦賀和宏 著。


医療ミスという事故か、故意の事件かの
謎を探る医療ミステリーだが、
読み終わり、タイトルの意味にうなる。


綿密な構成と入り組んだ人間模様を
巧みに配置して、真実へと導く。

現実的ではなく、ややご都合主義的
ではあるが、ページをめくる手を止める
ことができない。


死因より、その病気の原因が気になる。
いくつかの病気が出てきて、怖い。
愛のために人は何を犠牲にできるのか。

終結したかに思え、安堵の後にまた
どんでん返し。
謎が解き明かされるのはスッキリするが、
知らなければよかったとも思う。


悲しく、せつない。
読後感はよくない。



彼女の血が溶けてゆく (幻冬舎文庫)/幻冬舎
¥741
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芸術の秋。
アート本。

ヴィジュアル本。


「美しきヌード絵画の世界
   19~20世紀を彩った裸の女性たち」
綜合図書/2014.8.30/1500円


肉体美を探求したルネッサンス、写実的なバロック、
優美なロココの時代を経て、

19世紀以降、ヌード絵画は黄金期を迎える。

ヌード絵画の黄金期である19世紀の裸婦像から、

現代芸術の先駆をなした
20世紀前半の前衛的な裸婦像まで、

画家たちが描き継いできた裸婦の魅力を
美しき絵画写真と共に紹介したムック本。



クリムトの妊婦ヌード「希望Ⅰ」や
モディリアーニ「裸婦」やシーレの個性的なヌードが
いいねえ。


美しきヌード絵画の世界 19~20世紀を彩った裸の女性たち (総合ムック)/著者不明
¥1,620
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「YouTubeで食べていく  『動画投稿』という生き方」
愛場 大介(ジェット☆ダイスケ)
光文社新書/2014.8.7/740円


「稼ぎたい」「有名になりたい」という願望は、
YouTubeで簡単にかなえられるのだろうか?
日本で最も動画共有サイトの立ち上げに携わってきた
ビデオブロガーが、トップクリエイターたちへの
インタビューを交え、動画投稿ビジネスについて考える。
        <表紙折り返しより>


劇団が宣伝というカタチから、 YouTubeを使って
表現する方法を模索している実例が
興味深かった。


表現者という枠を超えて、それが「ビジネス」として
成り立っていく過程がレポートされているが、
ノウハウ本というより、現状報告という感じ。


食べていけるかどうかはやり方次第ではあるが、
ひとつの「表現形態」としてとらえると、
その多様性がおもしろい。


YouTubeで食べていく~「動画投稿」という生き方~ (光文社新書)/愛場大介(ジェット☆ダイスケ)
¥価格不明
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「映画監督という生き様」
北村 龍平 (著)
集英社新書/2014.8.17/740円


ハリウッドに拠点を置き、
一人気を吐き続ける稀有な映画監督の
映画観・撮影術、そして破天荒な
生き様とは!?
     <表紙折り返しより>



学校に行くより、映画館に通い、
全てのことを映画から学んだ子供時代。


映画監督でなら成功できると、
映画の世界から、プレない生き方。

影響を受けた映画、何百回となく観た映画、
自らの映画の製作秘話を盛り込み、
その生き様と共に映画の見所が語られる。



映画に関わる人にはとても勉強になり、
おもしろい。
カッコイイなあとも思う。


映画監督という生き様 (集英社新書)/北村 龍平
¥799
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