「乙女心注入サプリ」 | 月灯りの舞

月灯りの舞

自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

理想の恋人の条件を三つ挙げてみてください。



深層心理で一番重要視しているのは、実は
三番目だって。



で、本当のテストはこれから。


今、冷静に三つ条件を数えられた人。



あなたは、恋してませんね!!

だって。


そんな三つの条件を挙げるつもりが
同じ言葉を三回繰り返してしまうような
「恋の病気」にかかった著者が詠んだ短歌と
エッセイの本。



「乙女心注入サプリ」
  佐藤真由美:著
 平凡社/2007.10.5/1200円


乙女心注入サプリ

“恋する歌人”が結婚・仕事・育児の日々を綴る表題作ほか、
中日新聞連載「恋する歌音」文庫未収録作を含む
待望の短歌&エッセイ集。


見損なわないで、31年もかけてキレイになったんだから
(佐藤真由美)


                     <帯より>



「恋する短歌」の歌人 佐藤真由美の新刊。


自作短歌とエッセイの章と、
古今の名歌を紹介し、それにまつわるエッセイと
自作短歌の章からなる。


つらかったり、せつない恋だったりしても
なんか恋愛に前向きになれる短歌たち。

そして、夫も子どももいてもいつまでも
オトメゴコロいっぱいのエッセイ。


恋愛は勝ち負けじゃないといいつつも
「でも、負けたくないの!」という著者は、
ジャンケンの時も
「惚れたら、負けよ、ジャンケンポン」
って言うんだって。
かわいい。


そんな著者はこんな歌



ほめられてがんばるタイプだからつい恋人未満を常備している


自分が常に勝っていられる相手がいると、女って
へんに自信をもっていられるものなのかも。


でも こんな歌も詠んでる


憎しみに変わるくらいの強い愛教えてくれたあなたを憎む



これはこの歌にの紹介の後に書かれていた




笑みかけてくる写真のきみを切り刻むこの指先の逆流の音
              李正子(鳳仙花のうた)


気になった歌 三つ



愛だけが孤独を癒す 愛ゆえに淋しさを知るのと同様に



怖いのはどうやってひとりで生きてきたのか思い出せない自分



同じだけ幸せに幸せにするくらいなら 誰よりひどく泣かせてほしい




恋する短歌
「恋する短歌」
    佐藤真由美:著
    集英社文庫/2004.3.25/457円


同じ著者のこっちは「短歌+ショートストーリー」


この中でおもしろかった歌は



縁あって隣で寝てる人がいて わたしのものにならないらしい


  ↑
笑えるけどせつない。


でも、人のモノだから、欲しくなったり、
いとおしいのかもよー。