「絶滅危惧ビデオ大全」
植地 毅：著
三才ブックス／2007.8.25／1500円
勝新太郎が「無駄の中に宝がある」、
根本敬が「ゴミの中に宝がある」と言ったように
ジャケが日焼けしてすっかり色褪せたビデオ棚の
中には、とんでもない宝がある。
これは無駄な労力をかけてゴミの中から死ぬ気で
探し出した宝の記録なのだ！ 〔書評家 吉田豪〕
＜帯より＞
筆者が物書きとして仕事を続けていた１２年の間に収集し、
さまざまな雑誌の特集や連載コラムで扱ってきた作品の
「レッドデータ（絶滅危惧種）ガイドブック」。
とにかくカルトな作品がいっぱい。
ビデオパッケージの写真つきなので、
パッケージを眺めるだけでもおもしろい。
タイトルで、そのトンデモ度もわかるが
作者のコメントや解説が的確でわかりやすい。
邦画、アジア映画、洋画、キュメンタリー、音楽などの
ジャンル分けがされている、
やはり、邦画はトンデモものが多い。
エログロで後に封印作品となってしまう猟奇事件や
犯罪もの、ダークサイドな作品が多い。
一代ブームを巻き起こし、文部省選定作品にまで
なった「一杯のかけそば」も豪華キャストで映画化
され異例の速さでビデオとなったものの、
作者の詐欺事件をきっかけにビデオもみかけなく、
ＤＶＤ化されることもなくなったという。
“感動の伝道師”から“詐欺師で詐話師”に転落。
今は亡き丹波哲朗の霊界ビデオとか、石立鉄男主演でも
まったく評価されなかった劇画が原作の「あんこう」と
いうビデオ。
自殺したヒロくんこと沖田浩之は教育もの映画
「がんばれ！ 青春先生」という作品に出つつ
「大江戸レイプマン」にも主演。
にっかつ製作の和製スプラッターものとか、
意外な原作の映画化や意外な俳優がこんな役を
やっていたみたいなキワモノ的ビデオ作品が
並ぶ。
アジア映画はまたトンデモ度が増したり、パクリ度、
パチモノ映画がずらり。
洋画は、廃盤になったホラーもの、ゲテモノや
ポルノ系では、ハードコアポルノ女優として
たくさんの作品に出演するも未成年だったたことが
発覚し、発禁回収となったビデオたち。
一発屋というか、一次的ブームに便乗して
作ったビデオも多い。
エリマキトカゲとか人面魚とか超能力ものとかね。
これらの廃盤、入手困難なビデオの探し方
のアドバイスも掲載。