「本を読む兄、読まぬ兄」 | 月灯りの舞

月灯りの舞

自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「本を読む兄、読まぬ兄 吉野朔実劇場」
   本の雑誌社/2007.6.20/1300円


本を読む兄.

『本の雑誌』2004年11月号~2007年6月号に
掲載したものをまとめたマンガ読書エッセイ。



本が紹介されていて、その本からイメージ
した漫画エッセイがつづられている。
取り上げている本があまり一般的じゃないとこが
おもしろい。


そして、本そのものについて語られることより、
あくまで、その本からイメージする著者の
日常的なことが漫画になっていたりして、
普通の書評本とは一味違う。


文芸書あり、外国ものあり、絵本あり、漫画あり。



漫画「PLUTO」の紹介ページでは
タイトルは「御札の絵柄を考える。」で、
日本人で一番外国で認められているのは誰か”
と考える話が載っていて、「手塚治虫じゃないか」
という意見が出て、「御札の絵柄がアニメのキャラ
になったら」という話で盛り上がる。


そして、「御札がアニメになると、シリアスなドラマや
映画は苦しいね」と例として、手切れ金を払うシーン
とかがのっている。



著者は犬と暮らしていて、漫画にほぼ犬が登場する。
その犬の表情がかわいい。
犬好きにはたまらないかも。


絵本好きで、絵本を探求していく「絵本探偵」
のコーナーではいろんな絵本が紹介されたり、
絵本を探す話があって、おもしろい。




タイトルの「本を読む兄、読まぬ兄」というのは
著者が中学の時、先輩に二卵性のカッコイイ双子の
男の子がいて、一人は図書館が似合う知的なタイプで
もう一人は不良っぽくて野性的だったという。


で、そんな双子の兄がいたら楽しかっただろうという
想いでつけたタイトルだって。


私は兄と弟が一人ずついるけど、うちの場合、
「本を読む兄、読まぬ弟」である。