「おまえとは寝たいだけ 」 | 月灯りの舞

月灯りの舞

自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「おまえとは寝たいだけ
    ヒドイ男とおろかな女」

 石原里紗:著
 光文社/2001.7.15/514円


_おまえとは寝たいだけ


「ふざけるな専業主婦」の著者のちよっと
古い恋愛エッセイ。
著者自らの体験談。


おまえとは寝たいだけ」とはっきり言われた男との
長年に渡るおつきあいの様子を、おもしろおかしく、
かなり自虐的に語っている。


同棲している彼女がいる男で、本当に会うとセックス
しかしないという寝るだけの関係の男。

でも、顔みるとドキドキして好きでたまらないのだ。
都合のいい女扱いされても屈辱的な行為をされても、
彼と会えなくなることはイヤなので、抱かれるだけでも
会いにいってしまう女。


好きになってしまったものの負けだし、
愚かな女だと思うけど、あふれる気持ちは
どうしようもないから
せつないよね。


でも、悲惨に感じないのは、それだけ愛する男にめぐりあえた
だけでも幸せだと思うからか……。

支えてくれる友達や男友達にも恵まれているし、
こうして「寝たネタ」が仕事になって本になるのがうらやましい。

このネタだけで一冊の本にしちゃってるのもすごいが、
二年かけて書いたという。


著者は「いい女ほど男運が悪い」の著者とも親友で、
彼女とのやりとりがおもしろい。

女友達って、自分の男のことは棚にあげて
ヒトの男には容赦ないからねー。
そのかけあいがおもしろい。

でも、しっかり支えあってる友情がいい。

こんなヒドイ男ちょっといないよとか、
愚かでバカな女もいないという、
描写が多いのだけど、


ダメダメ男とつきあってきた私にとっては
痛いくらい、わかるわかるとうなづくこと多し。



それに、恋してる時って、魔法にかかってるからねー。
周りが何を言ってもダメなんだよね。
でも、ある日 憑き物が落ちたように、
「なんでこんな男とつきあってるの、私……」
って、我に返ることもあるんだろうね。


恋愛はお互いにずっと魔法をかけ続けないと長続き
しないのかもね。


でも、こういう「ヤルだけ」と公言する男は
潔いよね。
本文でも書いてた。


「愛してる」なんて言葉で、その場だけは
私を喜ばせ、ちっともその言葉に伴った行動をしない
不誠実な不倫男より、「おまえとは寝たいだけ」という、
殴られても不思議ではない言葉を口にして、
その言葉に忠実な男のほうが、まだ、誠実だ、と。
              (本文より)