絵が「ふるえるほど好き」になる
-MAYA MAXXのロシアの名画と旅ガイド-
美術出版社/2005.10.31/1000円
ピカソ、マティス、ゴッホ、セザンヌ。
なぜ「いい絵」と言われるの?
絵画の見方が、かわる、わかる。
<帯より>
画家MAYA MAXXが、マティスの「金魚」の実物を観に
初めてロシアのプーシキン美術館を訪れて
「ふるえるほど好き」という感覚を味わったという。
そんなMAYA MAXXが一枚一枚の絵と向き合い、
そこから生まれた言葉の数々を収録した珠玉の絵と言葉集。
観たまま、感じたまま自由に絵を語り、
その絵から触発されたイメージをまたMAYA MAXX流に描く。
例えばルノワールの「黒い服の娘たち」について、
「ルノワールといえば、肌ですよね。
ルノワール自身がどんどん歳をとっていくに従って、
生命の豊穣さが、絵にはものすごくあふれてきている」
生粋の印象派モネについては
「現実の形がどうこうじゃなくて、
それが自分に何をもたらしたか、どう感じたか、
どう見えたかということですよね。
衝動とか衝撃を定着させるには、少しずつ色を
積み重ねて絵をつくるのではなく、
子どもがムキになったような感じのタッチになっていく。
何をそんなに急いでいる?という感じに」と語る。
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ちょうど、先日の箱根の旅で立ち寄った
ポーラ美術館でモネの「白い睡蓮」を観たが、
この本にもこの絵がとりあげられていた。
やはり近くで観るとまた趣きが違う。
近づいて観たり、離れて観たりすることで
またイメージも変わってくるからおもしろい。
プーシキン美術館の50万点にも及ぶコレクションから、
10作品を選び、それについても語っている。
「ロシアに名画がある理由」についてや「ロシアの光と影」
などロシアの街並みの写真や風景など、
ちょっとしたロシア観光ガイドのコーナーも
あって、ロシアに興味がわく。
一枚の絵に触発されて物語をつむぐ。
物語に触発されて、絵がまた生まれる。
シャガールの絵には「愛」と「音楽」が常に描かれ、
観る人を惹きつけ、心を豊にする。
そんなふうに、私もいろんなものに触発されながら、
人の心に何か感じさせられる物語をつづっていきたいな。