「名作にみる 愛の絆」 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「名作にみる 愛の絆 
  そうだったのか!あの二人」


愛の絆

監修:雑学倶楽部/編・著:菅野ペンオフィス
展望社/2007.6.15/1500円


嗚呼!
艶やかに歴史を彩る―古今東西の男と女の愛のかたち。
<帯より>


第一部 演劇・映画・文芸にみる 愛の絆
第二部 歴史上男女の愛の絆
第三部 近代・現代にみる実録の 愛の絆
第四部 外国の文芸・ドラマ・実録の愛の絆


四つの章に別れ、様々な男と女の愛のカタチが
紹介されている。


二人がどんな経緯で出会い、どのように絆を
結び、愛の結末をどう迎えたのかが書かれている。


新刊なのに古臭い感じががするのは装丁と
コピーの「嗚呼」のせいか……。


掲載作品も浄瑠璃や歌舞伎などの古典作品が
多かったかな。


実話を元にした「物語」も伝わっていくうちに
いろいろ変化した話になっていたり、
原作よりも脚色の方が有名になってしまった話
などいろいろである。


諸説ある話は、改めてこんな説もあったのかと
思ったり、ミックスして書かれたものもあった。


有名な愛の台詞たち。
それは手紙であったり、芝居の台詞であったり、
文学の描写だったり、短歌だったり。
いろんな手段でそこに愛が描かれていた。


たくさん愛の台詞にふれていると
どれだけ相手を思っているのか、
たかが愛なのに
その愛がいかに深く、生死を左右するほどもの
であるかが伝わってくる。



好き好んで波乱になりたくてなったわけではないのに
たった一つの愛で人生が変わってしまったり、
人を傷つけたりもする愛のカタチもある。

真相は当事者の二人にしかわからないことなのだけど、
人の心に何かを残せる愛のカタチにふれるのは
すてきなことだ。


愛の絆なんて、深いようで、思い込みだけのものだったり、
窮地に立たされた時、もろさが露見することだってある。


絆という不確かなものよりも「契約」の方が断ち切れないことも
ある。

だけど、人は人を愛したら、絆を求めずにはいられないの
だろうか。

その人とどんなカタチででもつながっていたいと思う。


それだけ人を深く愛せたら、人生がどれだけ
彩りのあるものになるか知っているから……。


でも、愛は時には残酷に破滅へと導くもので
あることも知っている。