「みんな、気持ちよかった!」 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「みんな、気持ちよかった!
  人類10万年のセックス史

  ジョナサン・マーゴリス:著
 奥原由希子:訳
ヴィレッジブックス/2007.6.25/1600円


みんな気持ちよかった

世界中の女たちが「イったふり」をしている!?
『有史以来のオルガスムが網羅されている、
セックス史の決定版』鹿島茂氏
          <帯より>



オルガスムスにまつわることを
歴史学、生物学、人類学、社会学的なすべての
角度から読み解き、疑問をといていく
まじめな研究本。


女のオルガスムが簡単に得られないのは、
それが生殖に不要であり、快楽への耽溺と
みなされるからであるという。


その女を肉体と理性の両レベルで知り尽くしている
パートナーとの行為によってのみ得られる、
はかなく稀少なものでなければならない。


要するに一夫一婦制の絆を深めるためにも
女は、誰彼とはそう簡単にオルガスムに
達せないような複雑なメカニズムになっているのだと。


そんな奥深いオルガスムの秘密を真面目に細かく
解説していく。

世界中の歴史を紐解き、大多数の実例をあげ、
研究、調査データを示し、男女差、年齢差を
比較ししつつ様々な「性」の疑問の
答えが提示されていく。


帯の鹿島氏の言葉にひかれて読んでみた。
セックスの研究者であり、セックス関連の本を多く出している
著者ならではの巻末の解説も読み応えがある。


著者いわく、さまざまな性に関する研究の結果
わかったことは二つ。
全ての女がオルガスムを得ているとは限らない」
ペニスの挿入は、女がオルガスムを獲得するのには
 ほとんど役に立たない
」だって。



女性にとって気持ちイイコトと
男性にとって気持ちイイコトが
全く違う。

むしろ男女の快楽は非対称的。

だからこそ、相手を気持ちよくさせてあげようという
」が大事なんだろうね。