「なぜ、その人に惹かれてしまうのか?」 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「なぜ、その人に惹かれてしまうのか?
  ―ヒトとしての恋愛学入門 」
  森川 友義:著
  ディスカヴァー・トゥエンティワ 版
  2007.5.30/1,575円


なぜその人に惹かれて

  恋は見かけが2割!?
人は五感で恋をする、人は五感で恋させよ。
             <帯より>

著者は早稲田大学国際教養学部教授で、政治学博士。
「進化政治学」という立場から、「恋愛」を科学として
見ていく。


科学的データに基づき分析していき、恋愛のメカニズムを
解き明かしていく。


恋愛において「見かけ」は重要だが、視覚だけではなく、
人は五感全てを使って恋しているのだという。

自分の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を最大限駆使し
異性を選び、その厳正なる吟味に合格した人に対して
わきあがってくるのが「恋愛感情」。


書いてることはさほど目新しいことはないなと
思っていたら、参考文献に読んだことのある本が列記されていた。


だけど、科学的データや統計などの資料をわかりやすく表示したり、
写真や図を取り入れて、専門的なことをシロートにもわかるように
かみくだいて書いていて、わかりやすい。


ただ、遺伝子が優秀な遺伝子を残すためにより優良な遺伝子を
男女互いが求めているというものが全て前提となっているようで、
精子と卵子の結びつくための「恋愛」という観点が全編に漂っていて
ちょっとうんざり。
そういう生殖のためのセックスではないところでの
惹かれる部分の方こそ知りたいのに……。


五感ごとに章が分けられ、どういう異性が「モテる」のかというのを
データを元に「こういう人が人気」とかち「魅力的な人はこう」
という書き方。


著者がこの本を四年かけて書いていて、その間に読ませた人からの
恋愛に関する疑問のようなものをQA式で書いているのもおもしろい。
ある種「恋の悩み相談室」


あとは著者による恋愛法則「森川流マーフィーの法則」もついている。
「恋愛は好きではない方が力関係が上である」とか
「いい男は自分からふらないで相手にふらせる」
「男性にとっても“愛はセックスの後にやってくる”場合がある」
「プラトニックの恋愛は一生引きずる」とかね。


「味覚」の章では
「どうしてキスをするのか?」でキスの効用についても
科学的根拠から語っているのもおもしろい。


コレ読むと、精神的にも健康的にもセックスの快楽的にも
いっぱいキスした方がいいねって思うよ。


視覚的に「美しいもの」として感じる根拠として
「シンメトリーな人」に対してより美しいと感じるとか、
ヒップとくびれの割合がどのくらいの人を一番
美しい体型と見ているか、など。


美しさの重要性において、顔の部分で魅力的と思う比率は
①目(34%)②口(31%)③顔の配列と全体の雰囲気(15%)
④髪の毛(10%)⑤肌の色(5%)⑥鼻(5%)の順だと。


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その人に惹かれる要素は心か体か感覚的なものか?

まあ、五感で感じるというのはすごくわかる。


好きな人だと手を握るだけで幸せな気分になったりするし、
常にどこかに触れていたいとか思うし、
好きな人の匂いに欲情したりもする。

確かに五感全てで、その人を感じたいし、感じてもらいたい。

でも、私は第一印象のインスピレーションみたいなもので
好きになることが多いので、五感というよりは
「第六感的なもの」が恋愛においては
一番大きいんじゃないかなと思う。