「一人で始める短歌入門」 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「一人で始める短歌入門」

 枡野 浩一:著

(ちくま文庫/2007/06/10/609円)


短歌入門

もっと!簡単。もっと!感嘆。
もっと!かんたん短歌のつくり方。

CHINTAIのCM「いい部屋みつかっ短歌」コンテストから
厳選100首を丁寧に解釈。これであなたも歌人に!
<帯より>


著者の最初の短歌入門書「かんたん短歌の作り方」
の文庫版かと思ったら、「もっとかんたん」な入門書
として書き下ろしたもの。続編。


全部で10週の講義形式で、1講義ごとに
「禅問答のようにも」とか「パロディをつくりたくなる歌」とか
「不幸は短歌に閉じ込めて」というタイトルがついている。


右のページに一つの短歌があり、
左のページに枡野氏の解釈やらエッセイがある。
自分なりの解釈をして、枡野氏の解釈と比較し、
共感したり反発したりできるようになっている。


やはり目の付け所が枡野氏らしくておもしろい。
短歌もきゅんとせつないものや爆笑ものなど
いろいろあって、それぞれまさに百人百色な味わい。


私たちの言葉は、心から伝えたい、どうにか伝えたい、
もしかしたら伝わるかもしれない、いや伝わらない
可能性の方が高い、どうせ伝わるもんか……
さまざまな段階で揺れ動きながら書き、その結果伝ってない、
たまに伝わったようで誤解だらけ、そういうのが言葉
という著者は
「かんたん短歌」は「簡単に詠める短歌」という意味ではなく
「簡単な言葉しか使わずに感嘆してしまうような短歌」
という意味だという。


短歌に限らず、あらゆる表現は、孤独の中でうまれ、
熟していくものなので、その想いを「一人で~」と
いうタイトルにこめたと著者。


「かんたん短歌の作り方」
  (筑摩書房/2000.11.20/1300円)

タイトルは糸井重里考案で、帯の推薦文にも糸井氏の言葉がある。

「短歌にすれば、その思いは言える。
言いにくいことを、なかなか言えない思いを、
わかってるけど言葉になりにくいイメージを、
増すの短歌にしたら、見えるようにできる。
つたえられる」



かんたん短歌