モディリアーニの恋人 | 月灯りの舞

月灯りの舞

自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

『芸術新潮』五月号の特集は
「モディリアーニの恋人」


芸術新潮

モディリアーニとその恋人ジャンヌ。
短くも激しく生きた伝説のふたり。
二人の軌跡を残された絵画や写真ともに
たどっている。


ジャンヌの遺品が公開されたことで彼女の真実
が見えてきた。

ジャンヌは彼のモデルとして従順に使えて
きたとされているが、彼女自身も積極的に
絵筆を握る若き芸術家だった。


モディリアーニは人物画にしか興味がなく、
人物そのものだけを描いていたが、
ジャンヌは、その後ろに文化的なものや時代を
描いた「表現主義」だったという。


ジャンヌにとって、彼は「既に確固として存在する
偉大な画家」であり、「学ぶべきものがある画家」
であったが、決して彼のコピーをしてはいなかったとある。

ジャンヌは、短剣で自殺する絵を描いていた。

モディリアーニの死後、後追い自殺をする彼女の
予言の絵とされている。

ジャンヌを描いた数々の絵画、彼女の影響で
彼の絵がどうかわったかなども語られていて、
大変興味深い。


モディリアーニの描く肖像画で「交遊録」も
掲載されている。


肖像画オンリーだったモディリアーニが描いた裸婦。
髪の毛も陰毛も濃く、必ず体の一部が切れているという。
これは、クローズアップ効果で、鑑賞者が
“がふりつき”で観ている感じにするためだという。
なるほど、ズームイン!だ。


それほど、モディリアーニの絵が好きだった
というわけではなかったが、
映画「モディリアーニの真実」を観てから、
モディリアーニ自身に強く惹かれるようになった。


映画はフィクションの部分もあるのだが、
せつなげな彼のイメージが、せつなさマニアとしては
魅了されてしまう。
そして、また彼の死後、後追い自殺をする
ジャンヌの深い捨て身の愛にもM女としては
揺り動かされずにいられない。




ジャンヌ写真
■ジャンヌの写真■

まっすぐに強い意志を持つ瞳




ジャンヌ自画像
■ジャンヌが描いた「自画像」