「放送禁止映像大全」「封印作品の謎」 | 月灯りの舞

月灯りの舞

自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「放送禁止映像大全」
  天野ミチヒロ:著
三才ブックス/2005.7.1/1300円

放送禁止映像

封印された“全263作品部”から知る映像の暗黒史。
世の中には、公儀自主規制などにより再放送
およびソフト化がされていないいわゆる
「放送禁止映像」が存在する。いや、存在
しなかったこととされている。
それら決して見ることのできない「封印された作品」
は、いったい何を問題視されたのか……。
             <帯 裏より>

著者は怪獣愛好家であり、UMA(未確認生物)研究が本職。

けっこう有名な作品が多いのに驚く。
シビアなものから笑えるものまで、かなりの数で
よくこんなに収集したなあと感心する。
下段には作品紹介写真と作品詳細データも載っている。

見開一ページで、一つの作品を紹介していて、
とても簡潔にまとめられているし、何より文章がおもしろい。
かなり笑ってしまった。

アニメや新しいドラマなどわりと有名な作品も紹介
されているが、マニアックなものも多い。

やっぱり特撮、怪獣ものが多いような気がするが、
刑事ドラマや時代劇などもある。
古いものが多いので、意外な女優さんが脱いでたり、
有名な男優がヘンな役で出てたりと新たな発見も
あったりしておもしろい。


その作品に出たことを抹消したい役者が再放送に許可を
出さない例もやはり多いようだ。

差別ものはダントツに多いね。
奇形、病気、残虐すぎたり、怖すぎたり、エロすぎたり。
後は、出演者が犯罪を犯したためというものけっこうある。


必殺シリーズで「必殺うらごろし」というのがあった。
市原悦子などが出ているオカルトもの。
サブタイトルが「仏像の目から血の涙が出た」とか
「馬が喋った! あんた信じるか」とか、「ムー」的すぎ。




●去年はこんな封印もの本があった。

「封印作品の謎」
    安藤健二:著
    太田出版/2004.10.25/1,554円

封印作品

“埋もれた名作”が発掘、復刻されている21世紀。
しかしその片隅では、存在のみ知られながら、
いまだ決して目にすることができない一部の作品群が、
ひそかに語り継がれ続けている。
これらの物語は、いったいなぜ「封印」されてしまったのか?
誰が、いつ、どこで、「封印」を決めたのか…?
大学生時代、ネット上での酒鬼薔薇聖斗の顔写真公表の
動きに関わった経験も持つ著者が、戦後の特撮、マンガ、ゲームを中心に、
関係者の証言を徹底的に集め、その“謎”に迫る。
必読の新世代ルポルタージュ。    <表紙折り返しより>


『ウルトラセブン』第12話「遊星より愛をこめて」や
映画『ノストラダムスの大予言』など。

タイトルだけ見るとミステリみたいだが、ルポ本。


それもかなり綿密な取材と情報収集を要したであろう本だ。
ただその作品を深く知るというだけでなく、それから
その封印されるテーマや付随する背景などについても
考えさせられた。


新聞記者を辞めてもこの本を書きたかったという著者の
熱い思いが伝わる。
これがデビュー作とは思えない迫力がある。

巻末に本書で取り上げなかった封印作品リストが
添付されている。それもまた興味深い。
          (2004年11月08日読了分)



★第2弾 「封印作品の謎 2」の感想はこちら(2006.3.7)

http://ameblo.jp/tsukiakarinomai/entry-10009942263.html