『犯罪は「この場所」で起こる 』 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

『犯罪は「この場所」で起こる 』
   小宮 信夫:著
   光文社新書(光文社)/2005.8.17/720円

犯罪はこの場所

犯罪を「したくなる」環境と
犯罪を「あきらめる」環境がある。
原因論から機会論へ――新しい犯罪学
                  <帯より>

犯罪の原因を犯罪の人格や劣悪な環境に求める
のではなく、どのような「場所」が犯罪を
引き起こすのかという視点でみる。


物的環境の設計や人的環境の改善を通して
いかに犯罪者にとって都合の悪い状況を
作り出すかを検証する。

豊富な写真と具体例があげられているため
わかりやすい。

いつ被害者になってしまうかわからない
時代、自分の身を守るためにも
できるだけ外的要因から犯罪を防ぐ
ようにとらえているのは建設的である。
犯罪が起こってから、犯罪者側の原因を
追求したとしても無意味なこともある。



門が開いていなかったら、とか
通りから見える公園だったらとか、
不幸にして犯罪が起こってしまった場所には
やはり何らかの犯罪を呼び起こす要因が
あるものだ。



人の心の闇はなかなかコントロールできないが、
場所的なことはいくらでも改善していけるのだから
改善していくべきだ。
何かが起こってからではなく、起こる前に。