「音楽はなぜ人を幸せにするのか」
みつとみ 俊郎:著
新潮社(新潮選書)/2003.5.15/1000
歌はどういう時に歌われるのか?
気持ちの良い音と不快な音の違いは?
音楽は心で聴く、それとも脳で聴く?
何度聴いても、あの曲に泣かされてしまうのはなぜ?
もしこの世に音楽がなかったら?
BGMからカラオケ、懐メロ、ヒーリング・ミュージックまで、
人間の感情に働きかけ、人生を豊かにする音楽の秘密を探る。
<裏表紙より>
音楽にまつわるトリビア本。
音楽家である著者が、音楽に関わることで感じた
疑問を専門的な視点から解説していく。
感覚的なことなので、諸説あるだろうから、
これだけが全てではないし、それが明確な回答では
ないけれど、こういう見方もあるのねーと
なかなか興味深く読めた。
音楽の歴史や、楽器の歴史から人と音楽の
関わりのうつりかわりや、音楽のもつ意味合いの
変化などもわかりやすく解説している。
映画音楽の引用が多く、わかりやすい。
第二章の「人はなぜ歌を歌う?」に
こんな言葉が引用されていた。
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歌うことは、愛し、認めること。
飛び立ち、舞い上がり、
聴く人の心のなかにすっと入りこむこと。
歌は語る、
人生とは生きるためにあること、
愛もそこにあること、
何も約束などないということを。
でも、美もそこにあり、
それを探し求め、見つけ出さなければならないということを。
(ジョーン・バエズ/フォーク・シンガー)
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第三章「音楽は本当に世界共通の言語なのか?」では
“音楽というのは、ことばの延長線上に作られた
ものではなく、ことばと一緒につくられたもの”ともある。
即興は、偶然生まれた表現ではなく、
つのる思いや、夢や、
私たちの魂がもつ
知恵をあらわしたものなのだ。
(ユーディ・メニューイン/ヴァイオリニスト)