「オール・アバウト・セックス」
鹿島茂:著
文藝春秋 刊/2002.3.20/1381円
あなたの知らない あんなこと がいっぱい。
<帯より>
文藝春秋に連載されていた「エロスの図書館」を改題
したもので、とにかく エロス関係だけの書評集。
・SMもまたセラピーである
・エロティック・アートの極地
・AV男優かく語りき
・正しい「変態人」とは
など タイトルだけみててもおもしろい。
その中で「熟年性革命報告」(小林照幸:著)という本が
紹介されていて、
老人ホームの80歳の女性が、一回300円で二人の男性と
援助交際をしていたという話がのっている。
その80歳の女性は
「妊娠を気にしないセックスというものが、
こんなに気持ちのいいものとは思いませんでしたよ。
一回、一回、これが人生最後のセックスかも
しれないと思うと大切なものに思えて
気持ちいいにきまっているでしょう」と語っている。
そして言う「若い頃のセックスなんて遊びさ!」だって。
その気にさせる80歳の女たち……。
巻末に、久世光彦と福田和也と鹿島茂の
豪華三人の官能小説ガイドと対談が載っている。
これが男の本音炸裂でおもしろい。
男が感じる小説と女が感じる小説は
やはりまったく違うのも納得できる。