山口母子殺害事件で、最近よくテレビでおみかけする
元 監察医の上野正彦氏の死に関する本。
ちょっと前の本だけど
「死の雑学―舌を噛み切っても死ねない理由」
上野 正彦:著
イーストプレス/2005.12.18/1300円
死なないために知っておくこと。
仕事・遊び・災害・セックス…
あらゆる日常に潜む死の危険から逃れるには
どうすればよいのか?
<帯より>
死体シリーズは、「事件後」の死体ということで
検証していくが、これは死なないための予防の本。
死に至らないように呼びかけることが、
監察医制度だと語る著者。
第一章と第二章は「日常に潜む死の危険」として
「こんなことをすると危ない」という実例と
「人はこんなことでも死ぬ」をあげている。
健康な人でもほんのさいなことで悪条件が
重なったり、無意識な行為で死に至ることがある。
危険を回避し最悪の事態を逃れる
ためにも知っておくことが必要かも。
第三章「性にまつわる危険な話」では、
オナニーの最中の死やセックス中の死の
実例をあげている。
セックスの行為は、高齢者が多いと思う人が多いが、
実は30代が多かったり、死因は男女差が違うものの、
行為の最中の死は、男ばかりでなく、女の死も多いと、
実例からわかる。
SMプレイ中の死というのは多いが、誰が考えても
わかりそうだが、意外なことで死ぬこともある。
何かのアレルギーをもっている女性の場合は、
男の精液の中にその成分がふくまれていた時、
射精されて死ぬこともあるらしい。
オナニー中の死はわびしいね。
男は30例で、ほぼ射精後の急性心不全。
女は5例だが、興奮しすぎてのクモ膜下出血。
女性は40~60代の中年女性がほとんどらしい。
膣からはいろんなものが出てくるらしく、
コタツの脚を入れていた女性は、子どもに発見されたらしい。
死に至ることが多い「性転換手術」の話や、
男同士のカップルの性行為の方が死に至りやすいわけの話も
興味深かった。
「性転換」という言葉は誤りで、実際は「中性にする手術」
という意味も納得。
ほかには老人や子どもなど「弱者を襲う死の恐怖」についてや
「死体の不思議」「人体の不思議」なども
医学的見地から語られていて、間違った認識をしている人が
多いことにも気づかされる。
心中を考えている人、愛する人と結合したまま死のうと
思っていても現実はにつながったままは死ねないそうだ。
死後、男は縮み、女は緩むからだって。
上野氏は、心中死体もいくつか監察医としてみたが、
結合したままの死体は一例だけだったという。
体と体を腰のあたりで縛りあって、重いふとんをかけていて、
いろいろな偶然重なった場合のみだそうだ。
取り越し苦労ばかりしても仕方ないが、
愛する人を守るためにも、愛する人を悲しませないためにも
「死」についてはいろいろと知っておく必要があると思う。
取り返しがつかないことになる前に回避できることはしておこう。