「恋のオキテ」 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「恋のオキテ」

 唯川 恵:著/朝倉 めぐみ:絵
 PHP研究所/2007.5.10/1100円

恋のオキテ

きっと恋は踏み絵に違いない。
私があの人に辿りつくための。
そして、私が私に辿りつくための----

恋したからこそわかった想いをつめこんだ
唯川恵の言葉集。オリジナルコメントを加筆。
             <帯より>



唯川恵の小説の中から「恋」に関する言葉たちを
集めたものに著者の書き下ろしコメントつき。


アンニュイな朝倉めぐみのイラストが好き。


実は唯川恵の小説ってあまり読まない。
エッセイはよく読むんだけどね。
いつもタイトルには惹かれるんだけど、
小説は、あまり私好みじゃないのかも。


でも、彼女の描くラブストーリーは多くの女性に
共感を読んでいるんだろうな。
あんなにたくさんの著作がどれも売れているのだから。
そんな小説の中の言葉たち。

言ってることは目新しくないのだけど、
著者ならではの言葉の厳選と味付けがいいのかな。
毒がないので、すんなり誰の心にも浸透する感じ。


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オブラート


大人の恋に必要なのはオブラートだ。
隠すべきところをちゃんと隠せている間を恋と呼ぶ。


     「今夜は心だけ抱いて」より


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背徳


自分の恋のためには、
時には、自分さえも裏切ってしまう。
「愛」というものが、
神が与えてくれるものだとしたら、
「恋」はその逆に違いない。
今、この背にぴたりとはりついているものは、
きっと悪魔だ。


         「愛しても届かない」より


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恋の抗力


若いうちは恋のために生きるけれど、
年をとると、生きるために恋をする

    
       「恋せども、愛せども」


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若い頃の死ぬの生きるのって激しい「恋」よりも、
年くってからの静かに長く育んでいく「愛」の方が
どれほど辛く、険しいものか……。