「短歌があるじゃないか」 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「短歌があるじゃないか。―一億人の短歌入門」
 穂村 弘 (著), 沢田 康彦 (著), 東 直子 (著)
    2004.5.30/角川書店/1300円


思えば、この最古の文学は、万葉・平安の昔から
大切な想いを人にシェアする秀れた道具であった…。
傑作怪作短歌群を、気鋭の歌人ホムラとヒガシが
一刀両断。 かくも楽しい短歌塾!  <帯より>

500人のシロウト(一部クロウト)の歌を◎○△
ダメ!の「選」を二人の歌人と一人の編集者が
している。


「はじめに」にあるが楽しいが厳しい"言語表現"
なる宇宙を巡る旅行記録。


三人のかけあい漫才のようなコメントがおもしろい。
作品も短歌らしい正統派なものから、キャッチコピー
的におしゃれなもの、たわごとなものまで様々。



「人名を入れ込んで詠む」の章は、様々な人名が
登場する。
固有名詞は旬のものより何年か経ったものの方が
味がでるものがある。


「ママン」の章は、"ママン"という言葉をお題から
母子関係のコワサや甘美さが表される。

短歌は欲張りはダメ。盛り込みすぎるとあやふやに
なってしまうというのは納得。


やはり言葉は厳選してそぎ落とすべき。
映画的に映像が浮かぶような世界を感じられる
短歌もいいね。

装画が山上たつひこだって。
章ごとの挿絵も群ようことか紺野美佐子とか意外な人の
イラストだったりする。 

                  (2005.01.13読了分)


★穂村 弘短歌集「ラインマーカーズ―The Best of Homura Hiroshi」

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