「寺山修司詩集―五月の詩」 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「寺山修司詩集―五月の詩」
  寺山 修司:著
  1995.4.15/1200円/サンリオ

寺山 五月の詩

男1 詩人はことばで人を酔わせる酒みたいなもんです。
 ときには、ことばで人を傷つけたりすることもできる。
 ようくみがいたことばで、相手の心臓をぐさり、とやる。
男2 場合によってし、ことばで人を殺すことだって
   できますが。          <帯より>


著者の愛への憧れや夢想が自由潤達に綴られた青春詩集。

「きらめく季節に」「愛する」「かくれんぼ」
「種子」「輪舞」の五つの章に分かれている。

あとがきで劇作家の白石征は、寺山の抒情は、
彼の人生における「欠落」感というものを
抜きにしては語れないとのべている。
彼が好んで多用かるメタファー「かくれんぼ」
もそれに深く結びついている。



若い女性向け雑誌に発表されたものだからか、
あまりダークなものはなく、やさしい言葉の
素直な詩が多い。



さよならだけが

人生ならば

  めぐりあう日は何だろう

  やさしいやさしい夕焼と

  ふたりの愛は何だろう

       <幸福が遠すぎたら>より