「自分の顔が許せない!」 | 月灯りの舞

月灯りの舞

自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「自分の顔が許せない!」
  中村うさぎ・石井 政之:著
  平凡社(平凡社新書)/2004.8.11/760円

自分の顔が許せない

なぜ、顔や身体にこだわり、悩まなければならないのか?
「美容整形の女王」と「顔にアザのあるジャーナリスト」が、
その答えを求めて、ユーモラスかつ真面目に対話する。
美醜の競争、化粧と整形、東電OL、マイケル・ジャクソン…。
そして、技術の進歩によって、サイボーグ化するこの時代へ。
自分の顔に満足している人も、そうでない人も、
この「言葉の格闘技」にご参加ください。<表紙折り返しより>




中村うさぎの整形に関してはすでに女性誌で、
豊胸手術の時も仕様前、使用後の写真を
公開していて、興味深く見ていたし、お顔の整形の
写真も何度もおみかけしていたのだが、
この本にはプロセスの写真が載っている。
びっくり。


心臓の弱い人は見ちゃだめなんじゃないかってくらい。
フェイスリフトの手術なので、耳の周りの皮膚と肉の
一部を切り取って縫い縮めている写真なので、
皮膚の下が見えてる。ひー。怖い。
でも、うさぎさんは言う。
「きれいになる夢を見て、整形をするなら
こういプロセスがあることをちゃんと認識して
リスクを負う覚悟をして」と。

第二章「化粧VS整形」は、赤裸々すぎるほどの
あの口調でうさぎさんは語っていておもろしい。
“女は仕事でどんなに成功しても、「だってブスじゃん」
と言われたら、全部崩壊するから。林真理子がいい例
じゃないですか”と語っている。


で、第五章「身体が違うと文化が異なる」という章では
本を読むときに著者の肉体が気になるという石井氏の方も
“どんなに素晴らしい実績をあげても「あいつはブスだ」
で終わっちゃう林真理子の悲しみ~” 
と述べている。
もう完全にブスの記号として林真理子が語られている。
いいのか?

東電OL事件について、「女の価値って数字じゃないんだけど、
彼女は何か価値を確認したい、女の賞味期限へのあせりが
あった」というようなことをのべている。
「仕事はできるけど女としてはどうなのか」ということを
突きつけられたのではないかとも。
ちょっと解釈が違うのではと思うところもあるのだけど、
女性の価値観について語ってるところは興味深かった。
男は仕事で評価されることが当たり前なんだけど、
女の価値ってそれだけじゃないものね。