「乱交の文化史」 | 月灯りの舞

月灯りの舞

自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記


「乱交の文化史」

バーゴ・パートリッジ (著),

山本 規雄 (翻訳)

作品社/2012.9.20/2600円


月灯りの舞

3P、4P、5P……。

“快楽"を、より多くの人々と分かち合うのは、

人類普遍の美徳の一つであり、古代エジプトや 旧約聖書の時代から、

中世ヨーロッパでも、 中国・インド・日本でも、

宮殿や修道院の一室、 農家の暗闇、教会や寺院の奥で、

“博愛的行為"は営々といとなまれてきた。           

    <帯より>


秘蔵図版を300点も掲載。


その絵にはローマ法王からパリの淑女、

神も悪魔も世界の人々が快楽にむせぶ図。


男も女も男と男もみんなつながり、

身悶えしたり、恍惚の表情になる。


「オージー」とは「乱行」とか「乱痴気騒ぎ」 「馬鹿騒ぎ」という意味も含まれるが、

語源は古代ギリシャ・ローマにおける 「酒神祭」(オルギア)。


しかし、本書では「性的なもの」に限定している。

そんな徹底した性的な乱れた交わり。


抑圧された欲望の解放になるのか、 ショー的な見せ物か、刺激か。

それとも、よりよき深き愛の探究になるのか、

同じ「行い」ではあるが、密室で二人だけでする時と、 複数とで交わる時ではどう変わるのか……。


日本の図版や資料も多くあり、様々な観点から

性の文化を紐解いていて興味深い。

その国々、時代時代の「性」のモラルや快楽への 探究心というのも様々である。


乱交の文化史/バーゴ・パートリッジ
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