「いけちゃんとぼく」 | 月灯りの舞

月灯りの舞

自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「いけちゃんとぼく」
 西原 理恵子:著


いけちゃんとぼく


角川書店/2006.9.1/1100円

西原理恵子はじめての絵本。



「よかったよ」と、友達が貸してくれた。


ちょっとだけネタバレありなので、
これからこの本を読もうと思う人、
真っ白な心で読みたい人は、ここから先は
読まないでね。






「感動したいあなたに!」とか
「絶対なける本 BEST3」とか帯に
あおり文がいっぱい。


あおられるもんかと思ってたけど、最後の
「仕掛け」でじんわりと涙が出た。


不思議な生き物・いけちゃんと少年の心の交流を
描いた叙情ストーリー。


その「いけちゃん」という不思議な生き物は
いろんなカタチになりながらもいつも少年に寄り添って、
少年をなぐさめたり、励ましたり、笑わせたりする。


いけちゃん」の正体はなんだろうって
みんな読みながら考えると思う。
その「仕掛け」というオチに向かって、
いろんな想像をめぐらせる。


伏線は「いけちゃん」のいろんな言葉だったり
行動に隠されている。
過去からの使者か未来からの使者か……。



想像は限りなくふくらむが、私の中では
一つの答えがあったが、私の想ってたものとは
違ってた。



最後の仕掛けで
「こんな愛のカタチがあったんだ!」と思い
涙してしまう。



いくつになってもこんなふうに
人を深く愛し、その人をいとおしく想う心を持ち続けたい。
そして、いつまでもその人のことを知ろうとする想い、
感じようとすることを忘れたくない。


読み終えたら、きっと、好きな人がもっといとおしくなると
思う本。
そして、もっともっとその人を愛そうと思う。
何年つきあったとか、何歳だとか関係ない。
常に「今、この時」愛していたい。
そして、その「今」がずっと続けばいいと願う。