「アラーキー語録 人間、泣かなくちゃ。」 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「アラーキー語録 人間、泣かなくちゃ。」

 荒木経惟:著
 主婦と生活社/2007.4/1200円


アラーキー語録

天才カメラマン・アラーキー初の語録本。
貴重な撮り下ろしもあり!


「人生」「写真」「時代」「愛」「エロス」
「男と女」「生と死」の七つの章に分かれて
アラーキーの“言葉”が語られている。

気に入った言葉を並べてみる。



●「人生」

 人生、闇は必要ですよ。

 アタシの口説文句ま「小さな不幸をあげる」
 だからね。


●「写真」

 影はね、未練なのよ。
 写真も未練だね。

 写真ってのは未練だからね。
 未練がなかったら残そうと思わない。
 そういう女々しい作業が
 人間的でいいんだよ。


●「愛」

 生に対する愛と死に対する愛。
 愛は死に対するもののほうが
 強いかもしれないね。
 泣くこと、気持ちが止まってしまうこと、
 そういうところで感じる愛。
 でも、幸せは、もっと単純ってゆーか、
 もっと俗っぽいっていうかさ。



●「エロス」

  エロスには思想はいらないんだから、
  自分がどうすれば
  気持ちいいかっていう生理に、
  素直に従えればいいんだよ。


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どのテーマもアラーキー独自のナマの声。
気取らず感じたままの言葉が並ぶ。


アラーキーのように天才ではないけれど、
「表現者」として、私も何か表現し続けたいと
思っているから、どの言葉らもなるほどと
うなづくことばかりだった。
そして、ずっしりと心に響く。


アラーキーは「写真」という手段で
自己を表現し続け、 

「写真を面白くするのは、自分の心だな。
 恋をしたり、苦しんだり、
 いろんな感情を持つことで
 写真を波瀾万丈なものにする」
と語る。



物書きも同じだ。
人の心に響くものはやはり、自分の心の叫び
でなければならない。
私も、私にしか書けないもの、
私らしいものを書くことで
表現していきたいと強く思う。