「廃墟、その光と影」
田中 昭二:著/ 中筋 純:著
東邦出版/2005.2.2/1500円
無言(しじま)に揺らめく果てしなき風化と荒廃。
虚しく、確かに、密やかに…。
無機的物質と有機的生命が、分かち難く絡み合う、
かくも美しき、世界の断片。
時代の欲望と絶望の中で、置き去りにされた、
十七の廃墟を巡る、紀行の断章。
<帯より>
廃墟本である。
廃墟マニアとしては、いくつか廃墟本を
みたけど、これは美しい廃墟写真が多い。
写真の撮り方なんだろうか、色合いというか
トーンもセピアでより幻想的。
廃墟写真というのは、普通の建築写真と違って、
息づいていないのに何か別のものが
存在するかのような怖さもある。
それだけでドラマを感じさせるというか、
何があったのだ! と思わせ、
退廃感が想像力をかきたててやまない。
まあ、これも能書きはいいから、
感覚で感じろ本である。