「不良少女入門 ぼくの愛した少女」 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「不良少女入門 ぼくの愛した少女」

   寺山修司 著

   大和書房/2004.4.5/1500円


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わたしが娼婦になったなら いつでもドアーは開けて置く
海から燕が来るように-。触れるもの全てを詩に変えた
天才・寺山修司の多面的世界。
詩とエッセイから、今も色褪せないその魅力をさぐる一冊。
                      <帯より>

ぼくが映画少年だったころ

開幕のベルが鳴る
恋人たちの囁き

言葉の宝石をさがして
少女コレクション―ぼくの愛した女たち  など

寺山修司に最初に触れたのはやはり詩の世界だった。
死だとか刹那的な負の部分に魅かれていったのだと思う。



浪曲「新宿お七」というのが掲載されている。
八百屋お七の新宿版で、八百屋お七のことを調べて
漫画原作を書いただけに感慨深く読んだ。
ものすごく時代を感じさせる言葉が並ぶが、


お七の愚かでせつない心情に涙してしまった。

「マゾヒズム映画の民俗学」というエッセイはやはり
そそる内容だった。
昔、観た「上海異人娼婦館」のあの妖しげではかなげな
映画のシーンが蘇る。
                (2004.11.17読了分)