「寺山修司の仮面画報」 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「寺山修司の仮面画報」
   寺山 修司:著

平凡社/1991.8/1800円




寺山画報

映画に演劇、写真にエッセイ、イメージの世界、
ことばの宇宙を縦横無尽に飛びまわったスーパースター、
寺山修司の世界を感じられる本。

写真が多くて、そのシュールな世界観に圧倒され
寺山ワールドに浸れる。


第1章 不思議機械
第2章 怪奇魔術芝居
第3章 密室遊戯
第4章 犬神兄弟写真商会幻想写真
第5章 面白映画
第6章 仮面画報
第7章 ヨーロッパ軽気球紀行


「不思議機械」とは「空中散歩機械」や
「快楽的折檻機械」など不思議機械製造人
小竹信節の悪のカタログである。


「怪奇魔術芝居」では寺山演劇の舞台写真の
数々が見られる。
上演当時の反響、寺山自身の演出ノート
なども記されている。


パノラマ、見世物、中国、魔術、フリークス……。
全てにおいてが実験的であり妖しい光を放つ。
“演劇実験室 天井桟敷のガラクタ美術館”
では、公演ポスターやパンフ、名場面集もある。

演劇以外に映画、写真、言葉などカタチは違えども
寺山の世界観というのは異様なほどに迫ってくる。
仮面、人形の世界など、エログロもあるけれど
せつないほどに迫ってくる。


この本を語るのは難しい。
写真集でもあり、演劇の奇跡でもあるのだけど、
いろんなものが盛り込まれすぎていて
紹介しきれない。
それに寺山の世界は言葉で伝えるものじゃなくて
感じ取るものだしね。

他にも寺山修司のこと


 「寺山修司戯曲集 1 初期一幕物篇」

  

★寺山修司唯一の人形劇 「狂人教育」  

 を残酷ミュージカルにした芝居も観た。
  



★寺山修司(脚本・監督)の映画「上海異人娼館」


★ちょっとせつないエッセイ「競馬放浪記」